通貨安マインドが根付く懸念

26日に日銀は金融政策決定会合で現状維持を決め、同日ドル円は157円を突破しました。(その後158円台に入ったようです。)

 

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植田総裁からは円安を強くけん制する発言はなかったと市場は受け止めたようです。私にも事実上の円安容認(諦め?)の姿勢と取りました。(もちろん発言の通り短期での急激な変動、物価に影響が出るようであれば動くのでしょうが)

 

私の懸念

私は一つ懸念を抱いています。それはドル円の行方ではありません。

 

日本在住者(外国人含む)へ通貨安マインドが根付くことです。

 

例えば政府は、国民への投資を推進しています。

そんな国民が投資を意識し始めた中(と勝手に思っています)、安くなり続ける自国通貨と、日銀も政府も是正に動かない(動けない)光景を目の当たりにすると、日本円を持つことに不安を覚え、円を外貨に変える動きが増えてくるかもしれません。

その行動は、ほんの些細な行動ですが、みんなが実行すると、円安懸念ではなく実際に円安にさせてしまうほどの影響力になります。

 

いずれ日米金利差が縮小した際に円安は是正されると簡単に思っているかもしれませんが、一度植え付けられた不安やトラウマはそう払拭できるものではありません。

 

日銀と政府は過去に自らが、植え付けたデフレマインドの解消に躍起になるあまり、別のトラウマを産む環境を自ら作っていることに気づいていないのかもしれません。

 

 

 

もう一つの懸念は、外国人労働者への影響です。経済界や、政府は人口減少による労働者不足を更に多くの外国人労働者で賄おうとしています。

ニュースで外国人労働者へのインタビューの様子などを見ていると、日本は賃金が安い、海外に送金する際に送れる外貨が少なくなった(以前の円に比べ)、帰国した仲間もいる、などと発言しています。

これら発言から推測するに、海外の労働者にとって日本労働市場のうまみは急速に失われつつあるようです。

こちらもいずれは、日米金利差縮小により円安はいずれ是正されるのかもしれませんが、こちらも海外の労働者に「日本の通貨は安い」というマインドが彼らに根付いてしまえば、長期に渡って海外の労働者が離れ戻ってこないことは充分に考えられます。

まぁ後者の方は・・・・・・もしかしたら日本の労働者にとっては良い事なのかもしれませんが。

 

 

今後のドル円の行方はわかりませんが、一つ言えるのは、円安が進むほど、長く続くほど、重くより多くの人に通貨安マインドを定着させる可能性が高いかもしれないということだけです。

 

 

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