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前回につづき、感情シリーズとして、投資においてパフォーマンスを左右しかねない強欲と恐怖について書いていきます。前回はこちら。
株式投資における、強欲と恐怖
株式投資には様々な利益の上げ方がありますが、今回は話を分かりやすくするため、安く買って、高く売る話に限定していきます。
株式にかぎらず、安く買い、高く売れば利益が出ます。なので皆がこれを狙いますが、強欲と恐怖に支配されると逆の行動をとり損失を出してしまいます。
なぜでしょうか。
強欲に支配されると
お金が増えると嬉しくなり、逆に減ると悲しくなるのが一般的的な反応です。
人間には、感情に慣れ、感受性が低下するという性質があります。
つまり以前と同程度の嬉しさを感じるためには、以前より大きな嬉しさ・・・より大きな儲けを求めるようになり、そこに欲が生まれます。
この欲は成功体験を繰り返すことで、強欲へ成長します。こうなると根拠の無い考えや自信から過剰なリスクを取っていくようになります。
強欲に捕らわれた投資家は、正常な思考を失っており、ついに売り手しかいなくなった市場に気づかず、最後の買い手になります。
最後の買い手は、投資家売り急ぐ中も、強欲が邪魔をし売り時を逃してしまうのです。
恐怖に支配されると
売り遅れた強欲な投資家は、市場価格が下がり続ける市場を見てるうちに、強欲は消え去り、小さな恐れを抱くようになります。
負の感情には慣れによる感受性の低下はありません。むしろ加速度的に大きくなり、やがて恐怖にとらわれた最後の買い手はパニックを起こし、最後の売り手として底値で売ってしまうのです。
強欲と恐怖への対抗手段
自身専用の投資ルールを決め規律を守る
平時の冷静な時に、大まかでよいので投資ルールを決めておきましょう。多くのポジションを持ちたい衝動に駆られても、一刻も早く全部売りたいと思っても、一定のルールに従って粛々と投資を行いましょう。そうすれば投資行動があなたの本能の影響を受けることはありません。
もちろん一度決めたルールを一生使い続ける必要もありません。変更が必要であれば、変えればいいのです。
一つ注意しなければいけないのは、本能に操られた状態でルールを変更してはいけないことです。
ルールを変える際は、本能に操られていない冷静な状態かつ、理性的に決めなければいけないことをお忘れなく。
自身のリスク許容度を把握する
あなたポジションは、例えば半値になったとしても、夜にぐっすり眠れるものですか?
もし、眠れないかもしれない・・・と考えるのであれば少々リスクを取りすぎているのかもしれません。
どれだけの下落を想定するかは難しい問題ですが、一度自分なりに考えておきましょう。
避難訓練と同様で、想定内の出来事は慌てず理性的に動くことが出来ます。しかし想定外のことが発生すると慌てて理性的に動けなくなるのです。
だから訓練や、想定しておくことは非常に重要なのです。
他人の強欲と恐怖を利用する
周囲の声が、「買いだ!」の一色であれば、市場が欲深くなっているのかもしれません。この場合は、周囲と逆にポジションを減らすタイミングなのかもしれません。
逆に「売りだ!」の一色であれば市場が恐怖に支配されはじめ、そろそろ、少しずつ買っていくタイミングなのかもしれません。
株価は常に最適な値付けをされているわけではありません。時には人々の強欲や恐怖が価格を形成している場合があります。それをあなたも備えた感情といセンサーを逆に利用するということです。
もちろん、なかなか狙って出来るものではありませんが、うまく活用できればあなたのパフォーマンスに貢献してくれることでしょう。
最後に
有名な投資家もこのような旨の言葉を発言しています
「バーゲンセールを喜ばない人はいないのに、なぜ、だれも株のバーゲンセールを喜ばないんだ?」と