新興国債市場では、3月までの2年の間、高利回りを求めることが最大のリターンを生みました。
しかし、4月以降は、財政赤字の拡大国は高利回りでも売られ、財政に警戒感をもっている・財政改革に取り組む国はマイナス金利であっても、積極的に買われているようです。
つまり、今までの新興国債市場では、少しでも高い利回りを狙う環境から、リスクに応じた利回りを要求する正常な環境に戻ったということです。
先進国は大丈夫?
先進国は新興国に比べ、経済力も信用力も桁違いです。
ですが、日本やアメリカでは、債務を拡大する動きが続いています。(欧州は全体的にコントロールされている印象)
IMFは今年6月、アメリカの財政赤字と公的債務に対して警告を発し、民間格付け会社は昨年、米国債の格付けを引き下げました。日本も改善が見られなければ、格下げや警告は時間の問題だと私は考えます。
両国ともに、中央銀行が政府債務を買い取る財政ファイナンスによって、国債利回りは低くく押さえられており、当面は大丈夫と言えるかもしれません。
ただこれは、強引な力業で、押さえつけているに過ぎません。
ある一線を越えた段階で更なる物価高騰や通貨安といった形でゆがみがでるのではないかと危惧していますが・・・どうなるのでしょうか。