割安株や、テクノロジー企業を中心に様々な株式を日々物色していますが、今回目をつけたのは、ゲームエンジンのプラットフォームの一つとして有名なUnityです。目を付けた理由は、ゲームエンジンで有名な企業の株価が下落を続けていたから。
2020年9月に新規上場を果たしたUnityは、初日に約68$の終値をつけています。その後2021年11月に210$の高値を付けた後、下落し株価は下落と低迷を続けており、直近の株価は約19$にまでなっています。
つまり上場値より安く、尚且つ過去最大の安値になっているということです。
過去のリターン比較
期間は、IPOしてから2023年12月末まで。青がUnity、オレンジはS&P500ITインデックス、グレーがナスダック100テクノロジーセクターです。他二つが約150%のリターンに対して、Unityは50%の損失となっており、投資が報われていない(株価だけで判断すると)結果となっています。
売上規模
典型的な成長株といった感じのグラフで、売り上げは4年で約4倍となっています。
大企業の数字を見ていると決算の数値は百万$単位であることが多いのですが、こちらは千$単位となっており、まだまだ小さな企業規模であることを実感します。
財務等
赤字を重ねる成長企業ですが、自己資本比率は安定して50%以上をキープしています。ということは・・・・
株式が順調に増加していることから、転換社債や株式発行で資金を調達してきたようです。
ですが、株価は低迷している現状、株式を使った資金調達の効率が悪くなるかもしれません。
営業CFの規模に比べ、手元現金はかなりの水準をキープして点は、安心材料かもしれません。
株主還元と一株利益
配当の支払いはありません。自社株もない・・・と思ってましたが株式の買い戻しと償却を行っている年もあるようです。
利益を出していないので、還元性向はマイナスです。
一株利益も一貫してマイナスです。
研究開発費
研究開発費は増加傾向ですが、2023年度は増加が鈍化しているようにも見え、売上高に対する比率も2023年度に減少しています。
個人的な感想
これだけ見ると、少し買っておいても良いのかなとも思いましたが、念のため直近の決算を少し除いてみました。Unityは現在、収益ポートフォリオの転換を図っており、非戦略分野からの撤退による、収益源や費用が嵩んでいるようで、売上高成長も小型成長株に期待するような数値は見込めない(当面は)かもしれない印象を受けました。
ゲームエンジンの開発や強化は続けていくようで、競争力の維持や強化はされていくことが期待できそうです。
総合して、投資が報われない期間が当面続く可能性もあり、慎重な投資が必要な銘柄かもしれないと感じました。