左視点から資本主義と経済格差を読み解く本 「高学歴貧困女子が読み解くピケティ」 私の読書記録⑥

6冊目に選んだのは「高学歴貧困女子が読み解くピケティ」です。以前の内容はこちら。

 

mousouya.com

Amazaon HPより

表紙からも想像がつく通り、トマ・ピケティという著名経済学者が書き、世界10か国以上で累計100万部を超えるベストセラーとなった「21世紀の資本」を分かりやすく端的に解説する本です。(半分くらいは。残り半分は格差を読むための基礎知識に割り当てられいます。)

 

私が手に取った理由

貧困女子(女子というより貧困の方に。一般、もしくは一般以下の労働者目線の経済本が大好物だから。理由はお金持ち目線では私には役立ちそうにないので)というタイトルに惹かれたのが20%、トマ・ピケティ(名前は聞いたことがあるけど、著作は読んだことがない。ピケティの評論なども読んだこともなかった)という名に惹かれたが20%、表紙をみて読みやすそうともったのが60%。

 

 

高学歴貧困女子が読み解くピケティを読んで

本書は、資本主義を徹底している国々での所得格差は拡大しているよ、と過去のデータをもとに紹介と、その背景を解説、税金による所得の再分配格差是正に重要な役割を果たすことなどについて解説されています。

 

良い点

一番はページ数700ページオーバーの「21世紀の資本」の大事なところを分かりやすく解説されている点で、解説だけして終わりではなく、本家「21世紀の資本」のおすすめの読み方を解説しているのも大変良いと感じました。(図書館に置いてあれば是非読んでみたい)

個人的な学びとしては、資産形成を早く進めるには、コツコツ資本を積み重ね続けるのが最適だと改めて思ったのが一点。

もう一点は、増税メガネ岸田首相が過去に上げた金融資産課税強化は、よくよく考えると突然の思い付きではなく、このような左寄りの考え方が影響した可能性もあるとも思え、欧米のみならず、日本の政策決定に浸透しつつあることに気づけた点です。

そして、そのターゲットは、目もくらむようなお金持ちだけではなく、庶民でも手が届くような小金持ちにも向けられていることも。

 

 

悪い点

本書にも書かれているように、経済も、市場原理主義で政府の介入を嫌う右寄りの考えと、社会保障や福祉など政府が積極的に介入し金持ちを目の敵にする左寄りの考え方があります。

本書はかなり左より(資本主義の中で)の考えで、それを庶民よりの考え方ですよと、ある存在を隠して意見誘導している感じを受けました。(考えすぎ?)

ある存在とは政府(政治家)です。

つまりお金持ちを目の敵に、徴税し、潤沢な予算で富の再分配を行うというのは政府にとって大変都合の良い政策でもあります。(予算が増えれば政治家や官僚の影響力や権力は大きくなる)

その左寄りの政策が庶民の為になるのは、誠意ある政治家と効率のよい組織が正しく実行すれば、の話でありそのあたりに全然触れていないのはある種の気味悪さを感じました(もちろん、経済の本で政治の本ではないのですが・・・)

 

 

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