私たちにとって、資本主義経済とは空気や重力のような意識するまでもない、当たり前の存在です。
空気や重力の存在は、ロケットを飛ばすような先端科学では無視できないように、経済を考える際に、資本主義は欠かせません。
スケールの大きな話だけでなく、身近な例ではボールを投げるような際に、空気や重力の知識が応用できるように、節約や、個人の資産形成といった小規模な話でも、資本主義についての理解は非常に役立つと私は考えています。
資本主義の弊害
資本主義には良い点と悪い点があると考えています。今回は弊害からの視点で資本主義を見ていきたいと思います。
①経済格差は拡大する
資本主義経済では資本は増殖する性質があるため、資本家と労働者の経済格差は拡大していきます。
なぜか? 資本が増殖していくのは、より豊かになりたいという人間として当然の欲求と、大半の人が嫌うリスクに大きなチャンスがあるからです。リスクを厭わない人が成功する→資本が増大→更に投資する→というループにより労働者では追いつけないスピードでどんどん富を蓄積していくわけです。
②経済的合理性の追求により地球規模の問題起こる
スーパーやコンビニを始めとしたフードロスとその削減が昨今注目されています。フードロスは主に先進国などで発生している現象で、食べられず廃棄される食料を指します。
フードロスの原因は私が思うに、過剰な仕入れ(機会損失を生まない為に)、劣化した食品の値下げを渋り(安売りをすると、定価買ってもらえないので)です。
このメカニズムは、適正量を仕入れ、売れ残りは安くするとより、過剰に仕入れ、劣化した食品は廃棄する方が儲けれるという経済的合理性を追求した結果起こったものです。
資本主義には経済的合理性を徹底的に追及する性質があり、他を犠牲にしてでも経済を優先するため問題を引き起こします。
過去の日本でもあった公害問題だったり、現在直面している地球規模の環境問題がその例です。
③誇大広告
資本主義経済で儲けるには、良い製品やサービスを開発することも大事ですが、それ以上に重要なことが欲しいと思わせるPR活動・・・つまり広告による宣伝です。
広告の宣伝効果は、他社製品に対し品質や価格面で劣っていても、挽回してしまうほど大きなものです。
テレビやYOUTUBEが無料で見れるのは広告が入っているからです。芸能人やYOUTUBER、テレビ局やアルファベット(グーグルの親会社、YOUTUBEはグーグルの事業の一つ)が滅茶苦茶儲かっているのは莫大な広告料があるからです。ではその広告料の原資は?
それは広告に影響をうけ、本来買わなかった物やより良いグレードのものを購入したあなたが出しているのです。
お金持ちは部屋のモノが少なく、貧乏人は部屋にモノが多くごちゃごちゃしているという話があります。仮に事実であるなら、お金持ちほど広告に左右されず支出をコントロールているが、収入が多くない人ほど広告に影響されて支出がコントロールできていないのかもしれません。
最後に
資本主義は最良ではないが、現状一番ましな制度と耳にしたことがあります。
そのルールで経済が回っているのですから不満をぼやく暇があれば、上手く利用した方がいいというのが私の考え方です。上手く利用するには欠点も知らなければならない
ということで書いてみました。次回は資本主義の利点について書きます。