決算前に過去の業績を振り返る COST(コストコ)

決算を前に持ち株の過去の業績を振り返っておきます。第2弾はCOST(コストコ)です。第一弾はこちら。

 

 

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コストコとは

世界で876店、日本でも33店を展開している、会員制の倉庫型総合スーパーです。

幅広いナショナルブランドや、プライベートブランド商品を扱い、大量購入、効率的な物流、飾り気のない倉庫型店舗での販売などにより、非常に低コストで提供しています。

世界全体の会員数は2024年2/18日時点で1億3000万人、7340万世帯に上ります。

 

CostcoHPより

 

CostcoHPより

株価

Costco年次報告書より

2018年9月2日を起点に、2023年9月3日までのリターンを表したものです。この期間においてはS&P500などの指数を常に上回るリターンを出していたようです。今後の見通しとは何の関係もありませんが参考までに。

 

収益の推移

自作グラフ(単位は百万$)

売上高成長は、目を見張るものがあります。4年で62.2%の成長(年率15.6%)です。

売上高に比べ利益額が低いので分かりずらいですが、営業利益は4年で71.2%の成長(年率17.%)、当期純利益は4年で72.0%の成長(年率18%)です。

 

 

先ほどのグラフで想像がつくかもしれませんが、営業利益率と利益率はこんな感じ。

自作グラフ(単位は%)

かなり低い利益率です。競争過多で利益が圧迫されているのでしょうか? ここからは推測になりますが、もう少し深堀します。

 

自作グラフ(単位は百万$)

中央から左側が売上高関係、中央から右側が営業費用関係です。

商品売上高は商品販売による売り上げ、会費は年会費からの売り上げ、総売り上げはその合計です。

 

仕入れコストと商品売上高から商品の原価率がわかります。

もうひとつの営業費用である販売、及び一般管理費は正確には会費の売り上げにもかかるはずですが、今回は計算を分かりやすくするため会費には費用がかからないものとして計算します。

 

自作グラフ(単位は%)

 

原価率は90%付近を推移しています。つまり商品売上高の9割は商品の原価ということです。

ついで営業費用全体の純売上高に対する割合は98%付近で推移しています。(本来は一般管理費などの営業費用のいくらかは会費の売り上げにもかるはずなのでもう少し低くなると思われますが)

ここから分かることはコストコはほぼ利益を乗せずに商品を販売しているということです。

こんなことができるのは年会費による継続した安定収入があるからです。

 

自作グラフ(単位は百万$)

会費売上高の利益率は非常に高いものと推測されます。

 

つまりコストコの利益率が低い理由は、商品を原価ギリギリの価格で提供することで、会員を引き付け会費で利益を上げる構造だからと言えそうです。

 

株主還元

自作グラフ(単位は$)

支払い日ベースの配当金の推移はこちら。連続増配と数年置きに特別配当としてドカッと支払うの株主還元方式が特徴でもあります。グラフにありませんが、2024年1月にも特別配当として15$/株支払われています。

 

自作グラフ(単位は%)

配当性向は特別配当支払いの年を除くと概ね40%以下に抑えられているようです

自作グラフ(単位は百万株)

自社株買いも行われていますが、発行済み株数はほぼ横ばいです。4年で0.3%増加しています。

 

自作グラフ(単位は$)

発行株数は減少していませんが、一株当たりの利益は着実に伸ばしています。4年で71.4%も成長(年率17.9%)しています。

 

財務

自作グラフ(単位は百万$)

自作グラフ(単位は%)

自己資本比率は30%代で安定に推移しています。

 

自作グラフ(単位は百万$)

営業CFと同等以上に現金を保有しており、個人的には安心感を覚えます。

 

最後に

現在コストコのPERは48近くの水準にあり、今の株価には投資家の高い成長期待が含まれているのだと個人的に感じています。

私は長期目線ではありますが、成長には大変期待しています。今後も年会費の動向、会員数の増減、売上高の成長などを中心に期待して決算を待ちたいと思います。

 

 

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