私の保有銘柄や気になった銘柄を財務諸表等の数字的視点から見ていきます。今回は、かつてマグニフィントセブンとしてもてはやされながら、最近低調なTSLA(テスラ)です。もうひとつの冴えないマグニフィントセブンはこちら。
TSLA(テスラ)とは
高性能電気自動車の設計・製造・販売で有名な企業です。他にも自動車規制クレジットの販売や、リース、太陽光発電・エネルギー貯蓄システムの販売も手掛けています。
株価推移と5年間のトータルリターンの比較
2019年1/1に100$投資した場合の2023年12/31までのトータルリターンを比較したグラフになります。比較対象はTesla(テスラ)、ナスダック総合指数、自動車及び乗用車公開会社グループです。
結果としては、テスラ以外の指数はおよそ5年で2.5倍ほどに対し、テスラは11倍という圧倒的なトータルリターンをたたき出しています。(5年で2.5倍もかなりよいリターンですが)
と同時にテスラの荒々しい株価推移も確認できます。
収益推移
売上高は4年で約3.9倍の成長、営業利益は2020年から3年(黒字化は2020年からなので)で約4.5倍の成長、当期純利益も2020年からは20倍に成長しています。
(2023年度の当期純利益は、一時的な要因により営業利益より、当期純利益が多くなっています。※繰延税金資産の評価性引当金の取り消しに対する59億3000万ドルの非現金税優遇措置が含まれているとのこと)
成長企業の為か、2022年度までは利益率も上昇傾向ですが、今後の行方が気になるところ。
項目別の売上高の推移です。やはり電気自動車の製造と販売がメイン事業という感じ。
自動車販売の規模に霞んでしまいますが、他の売上も上昇傾向にあるようです。特に、エネルギーの生産と貯蔵、サービスその他の伸びが目立ちます。
項目別の粗利益率のグラフです。
収益費用の項目に自動車規制クレジットがなかったので仮に100%としていますが、粗利益率が高いのは間違いなさそうです。
売上高の大半を占める自動車販売の粗利益率が20%付近で安定しています。
項目別売上高で顕著な伸びを確認できた、エネルギー生産と貯蔵、サービスその他の
粗利益率は安定していませんが、売上高の拡大に合わせて、粗利益率も改善しているようにも見えます。今後も売上規模が拡大すれば、これら項目の粗利益率の改善と安定が見られるかもしれません。
株主還元
成長企業らしく、配当は支払われていません。
自社株買いも確認できず、発行済み株数も増加傾向にあります。(成長企業では珍しくありませんが)4年で30%増加しています。
※(2020年の1:5、2022年に1:3の株式分割分を修正した数値です)
こちらもプラスに転じた2020年から3年で一株利益は20倍になっています。
財務推移
黒字化して以降、総資産の伸びに対し、総負債の伸びは抑えられており、自己資本比率は上昇傾向にあります。
営業CFの伸びに合わせて投資を増加させています。この投資がうまく成長に繋げられるかに今後注目していきたいですね。
営業CFや投資CF以上の手厚い現金を手元に置いています。
研究開発費
売上高上昇に合わせて研究開発も増加させています。売上高に対する研究開発費の比率も一定の水準で安定しているようです。