AMZN(アマゾン)とは
主軸はインターネットを経由した小売り事業であり、その他にクラウドコンピューティング(ストレージ、データベース、機械学種など)やAmazonプライムを始めとしたデジタルコンテンツのサブスクリプションを提供しています。
株価推移
2019年1月から2023年12月末まで(AMAZONの会計年度は1/1~12/31)の株価推移をS&P500と比較したものです。この5年では市場平均並み(S$P500 )のパフォーマンスのようです。
もちろんもう少し長い時間軸・・・例えば10年単位で見ると素晴らしいパフォーマンスです。
収益推移
売上高は4年で2倍に成長、営業利益は4年で2.5倍に、当期純利益は4年で2.6倍に成長しています。
(2022年の当期純利益にはRivian Automotive, Inc.(リビアン)への投資の評価損の計上の影響も含まれているようです。)
分類別売上高です。
製品売上高の構成は、販売とその配送料、デジタル メディア コンテンツからの収益など。
サービス売上高には、サードパーティからの販売手数料、AWS(アマゾンのクラウドサービス)の販売、広告、Amazonプライム会費、デジタルコンテンツのサブスクリプションなどから構成されています。
製品売上高も年々伸びていますが、それ以上にサービス売上が伸びています。
売上高全体に占める、サービス比率も上昇傾向。一般的に、サービス関連の利益率は高めなので、よい傾向にあるのかもしれません。
各利益率はかなり低い水準にあります。
2023年の売上高を費用と利益に分けました。
売上原価が50%以上、フィルメント費用(物流倉庫の運営コスト等)・テクノロジーとインフラ費用(技術開発費や、サーバー、データーセンター等のインフラ維持費用など)でそれぞれ約15%、販売とマーケティング費用、管理費を合わせて約10%といった内訳になります。
通年でもこのような感じ。
株主還元
配当支払いはなし、2022年に1度自社株買いされています。
2022年度の会計上の利益は赤字なので、還元性向は-です。
2022年に自社株買いで多少減っていますが、4年で4%発行済み株数が増えています。(株主価値の希釈)
財務推移
自己資本比率は30%前後で、上昇傾向にあります。
物流倉庫から、データセンターまで自前で抱えている影響か、毎年一定の投資CFが見られます。
あとは、手元現金が積み上がりつつあるようです。
研究開発費
Amazonには研究開発費という項目がなかったので、テクノロジー・インフラ費用を載せておきます。これは、製品やサービス等の研究開発経費と人件費、サーバー・ネットワーク機器・データセンターの経費などのインフラコストが含まれています。(各社研究開発費にどこまで含むかはまちまちです)
AMZN(アマゾン)に対する個人的な感想
分類としては、中期から後期の成長大型株でしょうか。
4/26早朝アルファベットが配当を発表し、GAFAで未配等の銘柄はAMZNだけになりました。
これからも当面は、株主還元より自己投資による成長を目指す方針のように見え、配当開始や定期的な自社株買いは期待できないかもしれません。しかしそれは必ずしも悪い事ではありません。
一番効率の良い株主還元は自己投資による事業規模の成長だからです。(効率が良く、成功すれば)
低い利益率は、他社に太刀打ちできないEコマース体験を提供し、Amazonプライム会費などにより収益化し稼ぐ方針ではないかと推測します。であるなら、中途半端な株主還元を実施するよりは、自己投資を続け他社との差を圧倒的なものにすることへ注力することは合理的といえそうです。
ただ、ここ5年の株価パフォーマンスが市場平均並みであったように、目に見える成果が出るまでは、辛抱が必要になるかもしれない銘柄かもしれないと思いました。