値段と価値 なぜ私たちは価値のないものに、高い値段をつけるのか 読書記録⑨

Amazaon HPより

 

図書館よりタイトルだけを見て手に取った本です。タイトルから、純粋に経済的な内容の本かなと思っていましたが・・・・。

 

 

筆者は、エコノミストでありながらジャーナリストでもあり、「持続可能なフードシステムに関する専門家国際パネル」委員も務めている方です。

 

ここまで書くと、想像がつくかもしれませんが、資本主義経済の発展の負の側面と、その裏側にある地球環境への影響とそのコスト、貧困や搾取についても交えて描かれた本です。

(経済関連の本には間違いない)

 

例えば米マクドナルドのハンバーガー。安い価格に惹かれ多くの消費者が手を伸ばしますが、見えないコストが潜んでいると述べています。

具体的に、原材料の供給先や、マクドナルドのパート従業員は最低に近い給与水準で働いており、そこに税金が流れている事や、環境汚染コストを企業が負っていないことで安価にハンバーガーを提供できるのであり、それらコストを企業に背負わせるならハンバーガー一個数万円になるはずだと指摘しています。

 

政府が企業にすり寄りすぎて政策を実行をすることの弊害や、権利を守るために声を合上げ実際に行動する重要さを、過去の実例をもとに主張している点は、現在の日本の政治や労働者としての処遇に不満を感じている人に知ってほしい内容だと感じました。

 

 

当初、想定していた内容と違い過ぎて驚きましたが、ジャーナリズム的な批判的な資本主義的な見方は日頃触れる機会が少ないので勉強になりました。もちろん本書の内容を全面的に肯定する訳ではありませんが、改善余地があることや、なるほどなと思わせられる内容があったのも事実です。

 

物事の理解を進める上で、このような負の側面や批判的な視点から学ぶことも有用だと感じた点が最大の収穫でした。

 

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