以前iDeCoのメリットを紹介したので、今回はデメリットについて考察していきます。
何かを始めるにせよ、デメリットについて知っておくことは大事です。なぜなら、デメリットについて知った上で、実施を検討しなければ、後で後悔する可能性が高くなるからです。あとで悔やんでも失なったものは戻ってきません。実施を決断する前にしっかり悩んでおきましょう。
iDeCoのデメリット
①原則60歳まで投資資金を拘束される
iDeCoのメリットでも紹介しましたが、60歳まで投資資金の引き出しが出来ません。つまり、お金が必要な時でもiDeCo内の投資資金はあてにできないということです。人や状況によってはメリットともなりますが、自分の資金を長期間、拘束してしまうデメリットがあることは十分理解しておかなければならないでしょう。
②口座維持に毎月手数料がかかる
意外と知らない方もいるのではないでしょうか。(知らなかったのは私だけ?)以下のような手数料が少なくともかかるようです。
①加入や、移転時に2829円(その都度一回のみ、国民年金基金連合会へ支払い)
②国民年金基金連合会へ掛け金納付手数料として毎月105円の支払い
(掛け金が0円なら②の手数料は発生しないもよう)
③信託銀行へ毎月66円の手数料
(③は掛け金の支払いが0円でも手数料がかかるもよう)
④iDeCo口座開設した証券会社へ手数料
ネット証券会社大手のSBIと楽天証券を見てみると、ともに0円となっていました。他の証券会社は0円ではないかもしれませんし、この2社も永久無料化かどうかはわかりません。
⑤給付を受ける際に、一回の振り込みあたり440円の手数料(給付の都度)
と言った感じです。
③課税所得額が少ないと、掛け金控除の効果が薄くなる
所得がほとんどない人(専業主婦・夫など)や、住宅ローンやふるさと納税などで、既に節税をフル活用している人は課税所得が少なく、掛け金の控除が生かせないかもしれません。
iDeCoにおける掛け金の控除に惹かれ気になっている方は、控除がフル活用できるか、きちんと事前に調べておきましょう。
私がiDeCoを活用しない理由
私が資産形成を行う動機は40代から50代前半を目途にアーリーリタイヤしたいからです。なので60歳まで引き出せないのは、私にとってデメリットでしかありません。
また、現時点で2000万円の資産を保有しており、現在も運用中であることから(運用で増えることを期待して)、老後専用の資金を追加する必要性を感じていません。
なので、現行NISAや2024年開始の新NISA制度のみでよいと現時点で考えています。(NISAを使い切った後であるならば、再度iDeCo活用は検討してもよいとも考えています)
最後に
iDeCoや税制について調べていて気づいたことを何個か述べます。
まずiDeCoの制度から、「今後、あなたが食べていけるだけの年金は保証できないから自分で備えなさい」というメッセージを感じとりました。
私も日本の将来は明るいと考えていませんし、国家の頭脳である官僚たちが(皮肉も込めて)シミュレーションした結果であろうことからも、このメッセージに危機感を持ち老後に備えなければと改めて感じました。
あとは無駄に複雑な税制についてです。控除について知りたく、何度も省庁のホームページを行き来しましたが、私が欲しい回答は得られませんでした。
この複雑な税制について苦労している最中、私の師匠の言葉をふと思い出しました。
私が昔、「なんで、世の中には複雑なルールが多いんだと」ぼやいていると、私の師匠は「賢い連中が甘い汁を吸うためだよ」
と言ってたことを。
いや、税制がそうであるのか、私には分かりませんが?